【衝動篇_STORY】[第四章]ピノキオ
※シナリオのネタバレになります。
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【衝動篇_STORY】[第四章]ピノキオ
PART 4-1: |
操る糸の持ち主を探し、ピノキオは冒険を続ける。 |
アッチだ、コッチだと、手にした杖が教える道は嘘ばかり。 |
従うだけのピノキオは、疑いも無く受け入れる。 その様子を見て、杖はゲハハと下品に笑う。 |
―おや?おかしい。 |
… |
気のせいか、杖の鼻が伸びている? |
鼻が伸びるなら僕だよね? |
今の君ハ人間ダカラ。 |
鼻が伸びたらクリーチャー! |
そうだよね。 でも、僕― |
いつ、人間になったんだろう? |
PART 4-2: |
僕は、努力が嫌いです。 僕は、勉強が嫌いです。 楽できそうな話には、呆れるほどすぐに飛びつきます。 |
PART 4-3: |
ある時は、スターになれると言われて見世物小屋に。 でも、そこに掴まって焼き殺されそうになりました。 |
PART 4-4: |
ある時は、遊びに行こうと誘われて海の向こうの遊園地でロバにされ、売り飛ばされそうになりました。 |
PART 4-5: |
僕は本当に考えなしで。 全ては他人の言うなりで。 でもゼペットじいさんは、そんな僕を愛してくれました。 |
PART 4-6: |
……そういえば。 僕はどうして人間になれたのだろう? |
… |
PART 4-7: |
お馬鹿で間抜けな僕だけど。 あなたが良い子になれば、人間にしてあげると、星の女神は言いました。 |
PART 4-8: |
僕は、いつ良い子になったのだろう? 今の僕は、良い子だろうか? こんなにも、他人に依存してるのに? |
PART 4-9: |
もしかして、僕はまだ人間になれない紛い品なのかもしれないな…… |
PART 4-10: |
ピノキオは驚愕した。 元を辿れ自分は人形。 |
ゼペットじいさんが削り出した木の人形だ。 |
だから、同じ人形が何体あってもおかしくない。 |
けれど― 目の前に現れたピノキオはあまりにも全てそっくり過ぎた。 |
あれは僕……だよね? |
ソノ通り!紛れもなくピノッキオ! |
だけど、闇に染まったピノッキオ! |
そんな…… じゃあ…… |
僕もいつか、ああなるの? |
END: |
ガクン、と力が抜けるようにもう1人のピノキオは倒れ伏した。 耳を塞ぎたくなるような暴言を吐きながら、手にした杖が追撃する。 |
操られるままに、死体に鞭を打ちながらピノキオは1人考える。 |
ああ、誰か。 この戦いの意味を教えてください。 |
もう1人の自分は、バラバラに砕け散った。 |