【衝動篇_STORY】[第三章]ピノキオ
※シナリオのネタバレになります。
ネタバレ嫌な人はブラウザバック推奨!
【衝動篇_STORY】[第三章]ピノキオ
PART 3-1: |
ピノキオは探す。 自分の意志を任せられる存在を。 ピノキオは探す。 自分の操る糸の持ち主を。 |
かぐや姫は駄目だった。 では、今は誰に頼ればいいのだろう? |
その時、手にした武器が唸りを上げた。 オレダ、オレヲ頼レとがなり立てる奇妙な武器。 |
大層品がないなと思いながらも、ピノキオは意志を預ける事にした。 |
そうヤッテ、いつも誰かに頼っテル。 |
自分の意志は無いノデス? |
意志なんて……僕は元々人形だし。 |
それはお話の中デノ事デショウ? |
今は違ウ! 今は自由! |
自由なんていらないのになぁ…… |
PART 3-2: |
オレに任セテオケバイイ。 好キ放題二ブチ殺シ、作者ヲ蘇ラセテヤル。 ダカラ、オマエハ黙ッテ見テナ? |
PART 3-3: |
杖は勝手に適を打ち倒す。 振るっているのは僕だけど、僕の意志はそこにない。 それはとても楽で―安心できた。 |
PART 3-4: |
ゲハハハハッ! ナイトメア皆殺シダ! ドンナニ泣イテモ足掻イテモ、無駄ダト思イ知ルガイイ! |
PART 3-5: |
いくら適とはいえ、殺し方が酷過ぎる。 けれど、杖に任せているのは自分。 文句を言うのは筋違いだろう。 |
PART 3-6: |
1人目ノ頭ヲ砕ク。 2人目ノ胴ヲ切リ落ス。 3人目ハ首ヲ斬ル。 4人目ハ、サアドウシヨウ? |
PART 3-7: |
楽しそうに適を倒していく杖けれど、武器を振るうのは私だから、少しだけ気が滅入る。 殺した感覚が、手に残るから。 |
PART 3-8: |
ソウダ。殺シテイルノハオマエ。 俺に任セテ、殺スノヲ選択シタノハオマエダ。 逃ゲテンジャネエヨ、クソ野郎? |
PART 3-9: |
僕は倒していない。 殺しているのは武器だから。 それは僕の責任じゃないから。 僕は逃げたりしていない。 |
PART 3-10: |
ピノキオは、早く作者に復活してもらいたかった。 |
そうすれば、この野蛮な杖に頼る事もなく、作者のペンに全てを委ねるだけだから。 |
そうすれば― |
こんな恐ろしい適とは戦わなくて済むのだから! |
ド、ドラゴン!? |
物語の世界デハお決まりデスヨ? |
僕の話には出て来ないよ!? |
残念。今ハ君のお話じゃないカラネエ。 |
せめてサメなら何とかなるのに! |
END: |
何とかドラゴンを倒したピノキオは、手にした杖に感謝を告げる。 君の事は嫌いだけれど、君がいないと何にも出来ない。 |
そんなピノキオの情けない性格を嘲笑い、杖はガハハと下品に鳴いた。 |
とてもとても下劣な僕の杖。 けれど、どうしても手放せない。 |
だって僕は1人で決めるのが怖いんだ…… |
▶過去のコメントはこちら